中年期になったら

 

中年後期になったら「〜するだけダイエット」のような安易なダイエットをやってはいけません。

 

中年の定義はいくつかありますが、40〜60歳あるいは45〜65歳とされることが一般的だそうです。

 

中年期は最も肥満の多い世代です。

 

ご存じのとおり、この年代は高血圧や糖尿病、脂肪肝などの生活習慣病、その一歩手前のメタボリックシンドロームを抱える人の数が徐々に増えていきます。

 

肥満は生活習慣病、メタボリックシンドロームを疑わせる外見的特徴で、最大の危険因子の1つに挙げられています。

 

このため、特定健康診査(いわゆるメタボ検診)で肥満or内臓脂肪型肥満に該当した人は、医師や栄養士による指導を受けることになります。

 

 

 

特に中年後期の50代後半〜60代は安易なダイエットが、むしろ後々の、つまり高齢期の健康にとってマイナスになる場合があります。

 

この年代に間違ったダイエットをすることによって、体脂肪量だけでなく筋肉量や骨密度まで減らしてしまう点です。

 

メタボリックシンドロームが解消される一方で、口コモティブシンドローム(運動器症候群)のリスクが上がってしまいます。

 

ロコモと(略称)とは、「運動器」と呼ばれる筋肉や骨、関節などの衰えや障害により、要介護・要支援になるリスクが高まっている状態を指します。

 

事実、日本では「関節の疾患や骨折」は、「加齢による衰弱」「認知症」「脳血管疾患(脳卒中)」と並び、要介護・要支援に至る大きな原因の1つになっています。

 

現在、ロコモおよびその予備軍は日本人の実に40%程度、約4700万人もおり、40歳以上の男性では84%、女性は79%が該当すると言われています。

 

つまり、日本は世界有数の長寿国ですが、筋肉や骨など運動器の健康が長寿化に追いついていないというわけです。

 

長生きをするため、体に余分なエネルギーをため込まない努力も大切です。

 

しかし、それと同程度で、筋肉や骨を衰えさせず、いつまでも自分の足で歩き、好きなところへ行って好きなことができるように努力することも大切なのです。

 

 

肥満は体内に余分なエネルギーが蓄積している表れであり、生活習慣病の危険因子です。

 

当然、不必要な体脂肪は減らすべきですが、しかし、ダイエットをすると体脂肪がエネルギーとして消費されるとともに除脂肪活性組織も減少することになります。

 

除脂肪活性組織とは、体脂肪以外の全ての組織や器官のことを指し、筋肉、骨、関節などの運動器も含まれます。

 

食事制限が急激であるほど、そして栄養バランスが悪いほど、ダイエット中に起こる筋肉量の減少や骨密度の低下が顕著になります。

 

筋肉が減ると、体を支え、動かす力が衰えます。

 

極端に筋力が低下してしまうと、歩くことさえ困難になるでしょう。

 

また、体の構造の基礎となる骨が脆くなれば、ちょっとした衝撃で折れてしまいます。

 

進行すれば背骨が小さな骨折を繰り返して背中が丸くなったり、転倒時に普通なら折れにくい丈夫なはずの太ももの大きな骨(大腿骨)が折れてしまう場合もあります。

 

大腿部を骨折すると、ベッドに寝たり車椅子に座ったりする状態が長くなり、その結果、さらに筋肉量が減少します。

 

極度に骨密度が低下している場合は、骨折が完全に治癒しなかったり、治癒しても歩行が不可能となることさえあります。

 

 

説明が長くなりましたが、このような理由から、中年期に安易にダイエットをすると、メタボのリスクを下げる一方でロコモのリスクを上げることになりかねないのです。

 

体東が重い人はそうでない人に比べて、その分の重りを抱えているようなものですから、筋肉量が多い傾向にあります。

 

骨密度は体にかかる負荷が強いほど低下しにくいものなので、太っている人のほうが骨密度も高い傾向があります。

 

 

その意味で、中年期にある程度体東が重いということは、ロコモ予防の点でメリットがあるといえるでしょう。

 

しかし、関節にかかる負担はそれだけ大きくなり、軟骨を擦り減らして痛みや関節の変形を招くというデメリットもあります。

 

 

つまりは、中年期の体重、体型管理で大事なことは、体脂肪だけを減らしつつ、筋肉量や骨密度をできる限り落とさないように努力すること。

 

そして、口コモとメタボを同時に予防することなのです。