ダイエット禁止の人

 

●疾患のある人はダイエットをやってはいけない

 

 

昭和の大スターの一人、美空ひばりさんは52歳という若さてお亡くなりになりました。

 

公式HPによれば、直接の死因は肺炎による呼吸不全ということです。

 

それ以前に美空さんは慢性肝炎などで入退院の繰り返しをしており、そのため肺炎を起こしやすく、重症化したのだと考えられます。

 

 

慢性肝炎は、肝硬変や肝臓がんに移行しやすい重篤な疾患であり、適切な治療が必要です。

 

しかし、美空さんは病院での治療と同時に、ある自称治療家の外国人男性による民間療法を受けていたと言います。

 

当時、雑誌やテレビにも大きく取り上げられたので記憶に残っている方もいらっしゃるでしよう。

 

外国人男性の施術は、どんな症状の患者に対しても基本的に「センナ茶」を主体とした特性茶の服用、極度の食事制限、マッサージ」の3つを行うという、実に怪しいものでした。

 

しかし当時、ロコミで財界や芸能界などに広まっていました。

 

ですが、この施術には健康上、そして法律上大きな問題がありました。

 

まずセンナ茶ですが、これに含まれるセンノシドという成分は排便を促す作用があり、便秘薬に使用されています。

 

しかし、日本では当時も今も、センナの葉や実、あるいは抽出した成分を食品やサプリメントに使用することは薬事法で禁じられているのです。

 

また食事制限も、少量の玄米おにぎりだけを食べるというもので、こんなことを続けると摂取エネルギー量が極度に減少し、タンパク質や脂質などが大幅に不足し、栄養失調に陥ります。

 

さらに、このような食事制限は、特に肝臓に対して大きなダメージを与えます。

 

肝臓はエネルギーの貯蔵と供給、アンモニアの解毒、胆汁酸の生成など様々な働きをする重要な臓器です。

 

肝炎などで肝機能が低下しているときには、必要十分な栄養を摂らなければ新しい肝細胞かつくられないため、臓器は回復しません。

 

ですから、排便を促し、栄養を極度に制限するこの外国人による施術は、美空さんにとって治癒、回復の妨げでしかなかったのです。

 

 

もし、美空さんが外国人男性の施術を受けておらず、医師団の適切な治療のみを受けていたならば、もっと長く生きられたかもしれません。

 

存命であれば今年81歳。もしかしたら今もなお、彼女の素晴らしい生の歌声を聴くことができていたかもしれません。

 

食事制限をしてはいけない疾患

 

食事制限をしてはいけない疾患は、肝臓の疾患だけではありません。

 

例えば糖尿病。

 

糖尿病と言うと、太っていて痩せることが必須と思われがちですが、それは予防や初期の段階です。

 

糖尿病が発症すると糖を体に取り込むことができなくなるため、体脂肪だけでなく筋肉も減り、体東が減少する傾向があります。

 

糖尿病の人にとって過食は禁忌ですが、自己判断による誤ったダイエットもまた禁忌。

 

必要なエネルギー量を確保し、栄養バランスを保たなければなりません。

 

更年期の女性も安易なダイエットは禁忌です。

 

更年期障害は、閉経に伴って女性ホルモンの一つであるエストロゲンの分泌量が低下することで、自律神経のバランスが崩れ、その結果、情緒不安定になったり、顔のほてりや発汗、疲労感などの身体症状が表れるものです。

 

エストロゲンは骨にカルシウムを取り込む働きがありますから、更年期の女性は骨密度の低下も起こります。

 

この時期に安易にダイエットをすると、ますます女性ホルモンの分泌量が減って症状が悪化し、骨密度の低下を加速させることになります。

 

別記事でもお話ししますが、摂食障害(過食症と拒食症)の人もダイエットはかえって病状を悪化させることになります。

 

 

生活習慣病の一歩手前にあるメタボ、あるいは生活習慣病である糖尿病、高血圧、高脂血症、動脈硬化などは、食事制限や適切な運動が効果的であることは間違いありません。

 

しかし、既に疾患のある人は、ダイエットをする前に必ずかかりつけの医師にご相談して指示に従ってください。

 

それほど、疾患を持つ人が独自の判断でダイエットをするのは危険なのです。