部分痩せ

 

腹筋、二の腕、お尻など、痩せたい部位を筋トレで鍛えて細くするという部分痩せダイエット。

 

受動運動型ダイエットと比べると、実際に体を主体的に動かすので、効果が出そうな印象がありますよね。

 

 

気になる部分だけ痩せたい気持ちは分かります。

 

特に「お腹を凹ませるのに最適なのは腹筋運動」と思い込んでいる人は多く、こういったニーズを受けて、腹筋をを鍛える家庭用フィットネス器具が数多く発売されています。

 

近年では「ワンダーコア」という商品が話題になっていますね。

 

また、腹筋を鍛えるダイエット法も脈々と続いています。

 

近年では「ドローイン」といって意図的にお腹を凹ませるメソッドや、体幹トレーニングブがブームとなったのは記憶に新しいことです。

 

ですが、「腹筋」という言葉が「コア」や「体幹」に置き換わっても、意味する部位も目的も同じ。

 

いずれも「お腹周りの筋肉を鍛えれば、お腹の脂肪が減って凹んでくる」という考えに基づいたダイエット法です。

 

 

しかし、筋肉は部位別に鍛えることはできますが、残念ながら体脂肪を部位別に減らすことはできません。

 

その第一の理由として、「体脂肪は部分的に分解、消費されない」ことが挙げられます。

 

 

エネルギー収支が赤字になると、血糖上昇ホルモンの1つ、アドレナリンの作用で脂肪細胞の脂肪が分解されエネルギー源になります。

 

他の多くのホルモンがそうであるように、アドレナリンも血液に運ばれて全身の脂肪細胞に到達しますから、特定の部位の脂肪細胞だけに働きかけるということはありません。

 

アドレナリンの指令が届くと、全ての脂肪細胞ではほぼ均等にその一部が分解され、遊離脂肪酸となって血液中に放出されます。

 

運動をするとき、筋肉はこの遊離脂肪酸をエネルギーとして利用するのです。

 

筋肉が収縮する際に、そのすぐ近くにある体脂肪を直接取り込むことなど、生理学的にありえない話なのです。

 

 

第二の理由として、筋トレのエネルギー消費量は非常に少ないということが挙げられます。

 

そもそも、筋トレは全身の筋肉の一部だけを使って行う運動ですし、ランニングなどと違って短時間で行うものです。

 

通常、1つの部位の筋トレは10回×3セット、つまり30回の動作が基本になります。

 

ですから、筋トレをやっている最中は該当部分の筋肉が「辛い、痛い」という感覚はあるものの、消費するエネルギー量は微々たるものです。

 

全身運動であるウォーキングなら、1時間やれば少なくとも200カロリーは消費しますが、例えば高強度な腹筋運動を行っても、消費するのは10パーセントいいところで、体脂肪に換算するとわずか1・5g弱です。

 

それでも腹筋運動、コア、体幹トレーニングをして痩せた、お腹が凹んだ、という提唱者や賛同者がいます。

 

とはいえ、お腹回りの筋肉を使った全身運動は、はっきり言って非効率です。

 

それは、腹筋群が他と比べると小さくて弱い筋肉で、あまり多くのエネルギーを消費できないからです。

 

一見、体積が大きい体幹ですが、肺や心臓、胃腸などの内臓が大半を占めていて、体幹には全身の筋肉の15%程度しかありません。

 

これに対し、下半身は大半が筋肉で、全身の60%が集中しています。

 

ですから、ウォーキングやエアロバイク、ダンスなど下半身の筋肉を中心とした全身運動のほうが、効率よくエネルギー消費量を増やし、体脂肪を減らすことができます。

 

一方、小さくて弱い体幹を使う全身運動は非効率なぽかりではなく、体幹にある筋肉やそれが付着する骨に負担がかかるため炎症、障害が発生しやすくなります。

 

このガッツを下半身を中心とした有酸素運動に切り替えることができれば、もっと心身の負担を減らして体型をキープできるはずです。

 

 

お断りしておきますが、ダイエットにおいて筋トレが不必要、無意味と言っているわけではありませんからね。

 

むしろ、体脂肪だけを減らし、メリ(リのある体型を維持し、体力を落とさないためには筋トレは不可欠です。

 

というのも、食事制限をすると体脂肪とともに筋肉量が減ってしまうため、この筋肉の減少分を補うために、筋トレが不可欠だからです。

 

ただし、必要なのは一部位の筋トレではなく、全身をバランスよく鍛えるということをお忘れなく!