発汗しすぎない

 

発汗を促すダイエット、汗をかいて痩せるというのは昔からある危険なダイエット法です。

 

中高年男性にはサウナ好きの方が多くいます。

 

また、女性には岩盤浴が好評です。

 

サウナスーツも、いまだ根強い人気がありますね。

 

10年ほど前に元プロボクシング世界チャンピオンの方がプロデュースしたサウナスーツが大ヒットしたのは記憶に新しいことでしょう。

 

 

こういった発汗促進型ダイエットも、本質的には水分制限型ダイエットと同じです。

 

体に必要な水を失うわけですから、健康上、非常に危険なダイエット法といえます。

 

サウナや岩盤浴、サウナスーツなどで体を温めると、体温を下げるために通常以上に発汗量が増えます。

 

そのため、単純にその分だけ体重は減ります。

 

高温のサウナに長時間入れば、体東が1〜2s減ることもあるでしょう。

 

 

しかし、汗をかくことと体脂肪の減少には、直接的な関係はありません。

 

汗にも微量の油脂が含まれてはいますが、その重量は汗全体の0.1%以下です。

 

3%の汗をかいても、失われる油脂は多く見積もってもだったの3gということになります。

水分不足=血液ドロドロ

 

ボクサーがサウナスーツを着て、ストーブを焚いたジム内で激しい練習をすると2〜3時間で5sもの体東が減ることがあります。

 

しかし、どんなに激しく運動をしても2〜3時間で消費することができる体脂肪は、多く見積もっても0・5sくらいです。

 

ですから、残りの4.5sは汗で失った水分となります。

 

それでも、「汗をかけば体脂肪が減る」とイメージしてしまうのはなぜでしょうか?

 

ランニングやスポーツなどの運動をすると、体温を下げるために発汗が促されます。

 

同時に、脂肪をエネルギー源として消費します。

 

ここで頭の中で論理の飛躍が起こるのでしょうか。

 

直接因果関係のない「発汗」と「脂肪燃焼」を結びつけてしまうようです。

 

 

「鳥は二本足で歩く、鳥は飛べる、だから二本足で歩く動物は飛べる」、こう言ったら誰でも論理が飛躍していることに気づくでしょう。

 

発汗と体脂肪燃焼を結びつけるのも、鳥の例えと同じように飛躍した考え方なのです。

 

 

それから、近年聞かれる「体温を上げると基礎代謝があかる、だから痩せる」という理論。

 

こちらも疑問符がつきますね。

 

筋肉には熱発生装置としての役割があり、生命維持に必要な体温を生み出しています。

 

このため、筋肉量が多いと体を動かしていなくても普通の人より多くのエネルギーを消費し、体温が上昇します。

 

かといって、逆に外部から体温を上げても基礎代謝量は増えません。

 

例えば、パソコンは無数の配線を電気が通る過程で熱を発生します。

 

しかし、パソコンをいくら外側から温めたところで電力を消費しないのと同じ理屈です。

 

 

体を温めて、発汗をすること自体が悪いと言っているわけではありませんよ。

 

現代のように、夏でも屋内でクーラーが効いた環境にいると汗腺が衰えて汗をかきにくくなり、その結果、暑い環境下で熱中症にかかりやすくなります。

 

これを防ぐには、クーラーに頼り過ぎないようにしつつ、入浴などで汗をかいて汗腺を機能させることが役立ちます。

 

実際、適切な入浴は間接的にダイエットに役立ちます。

 

ただし、どのような方法であれ、汗をかいたら体は水分を失っているわけですから、それと同量の水とミネラルを補給しなければなりません。

 

それを怠れば体に様々な不具合が生じることになります。

 

先ほど、発汗促進ダイエットも水制限ダイエットも本質的には同じと言いましたが、発汗ダイエットは汗と一緒にナトリウム、カリウムなどのミネラルも失われますし、短時間で急激な体温上昇を起こすため、より危険性は高いと言えます。

 

水分が不足することで最も怖いのは、血液が濃くなることです。

 

血液がドロドロになって流れにくくなると、ポンプである心臓に負担がかかります。

 

さらに、血栓も起きやすくなり、最悪の場合は心筋梗塞や脳梗塞などが起こって死の危険性があります。

 

また、水分補給なしにサウナや入浴、運動で大量に汗を出すのは、自ら熱中症を引き起こしているようなもので、頭痛や吐き気、筋痙學などが起こり、進行すると意識が薄れたり、場合によっては臓器の障害が起こって死に至ることさえあります。

 

サウナ発祥の地フィンランドで開催された世界サウナ選手権(サウナ内での我慢大会)でも、大会常連者が亡くなる事故が起きています。

 

死に至らなくとも、日本国内でもサウナで気分が悪くなったり体調を崩してしまう事故は少なくありません。

 

摂食障害で体が水分不足のところに、発汗を促す行為などをしたら大変危険ですので絶対にやめましょう。